⑴ オンデマンド教習(学科教習)の録画方法について
現状は2名の指導員が教習を録画し、オンデマンド教習を実施している。
今後は全指導員が実施するので、教材を効果的に使用できるよう、具体的な機材の使用方法について説明を受けた。
⑵ 学科試験(仮免及び本免)の合格率向上について
近隣校と比較すると、合格率が低い。原因は何か?
・オンデマンド教習に変わった
・模擬テストが自宅でできるので緊張感がない
・設問文の意味を理解していない
・項目別問題集などの問題が、実際の問題に即していない
・『解説』が機能していない
などの意見が出た。
今後の対策は?
・模擬テストは1回/日のみにする
・原簿内に準備されている問題集を指導員は確実に実施させる
・模擬テストの合格回数を増やす
・間違いやすい問題の抜粋数を増やす
・学科専従の指導員を設ける
・模擬テストは以前の監視ありの方法に戻す
などの意見が出た。
原因の特定には、もう少し情報が必要であると感じる。具体的には、比較対象となる学校の
・オンデマンド教習実施の有無
・外国人の割合
・効果測定の具体的な実施方法
・学科専従の指導員の有無
などが挙げられる。
個人的に言えば、問題点は
1 模擬テストの方法
2 解説の実施方法
この2点が大きな原因であると感じている。
教習課長が作成する問題や教材はかなり良くできている。模擬テストの問題に関しても実際の問題に即したものであり、このことからも、指導員は現状の方法を確実に実施しなければならず、これが大前提である。それを踏まえたうえで申し上げると、上記1の模擬テストの方法に関しては、対面の状況で実施しなければ分からない課題も現実的な問題としてある。例えば制限時間30分の中、10分程度で回答を終了し、45点で合格したような教習生に対しては、見直しを確実にすれば48点になった可能性が高い。故に必要な指導内容は、うっかりミスや読み違いなどを極力なくすための文の読み方や時間の使い方であり、内容としての理解度は比較的高いと思われる。
これに対し時間いっぱいまで使い、45点で合格はしたものの、迷った問題について、回答理由を確認すると、たまたま正解であったような教習生も存在する。こういった教習生に必要な指導は、理解を深め間違いを正すことであり、前者と異なる内容になる。両者とも本番では不合格になる可能性が十分ある。このような感覚は実際に見ることでしか感じる事はできない。
上記2の問題点は、指導員の立場からすると、まさに時間がないというのが現状で、教習時間の合間や休憩時間、または終業後、LINEでのやり取りにより指導することもある。この方法では現状維持が限界であろう。
前述したように模擬テストは対面式で実施し、担当した指導員(個人担当の指導員でなくてもよく、教習生は複数で予約制とする)は解説が必要な教習生に対して時間を作り解説の時間を設け実施する。一見、非効率であるが、合格率が上がり、再度受験の必要性がなくなることを考えれば、こちらの方が結果的には効率的であるし教習生にとっても負担が少ない。
本研修では、今後の対策は定まらなかったが、少なからず全指導員が合格率を向上させなければならないとの問題意識を共有することができた。
今後の対策は、教習課長が本研修での意見を踏まえ決定し、指導員はそれを確実に実践することである。
大切なことは教習生の立場になって考え、より良い指導を心がけることである。